【企画趣旨】

新東名高速道路（御殿場JCT～三ケ日JCT）の162kmは，本年初夏の開通を目途に中日本高速道路株式会社により，建設事業が進められています。新東名高速道路は，現東名高速道路とダブルネットワークを形成し，交通の分担と地震災害時などのリダンダンシーの確保等の機能を有することから，我が国の産業・文化・社会経済活動の振興に大きく寄与することが期待されています。また，新東名高速道路は，1963年の名神高速道路の開通以来，建設～保全を通じてPDCAを回しながら培っていた技術を更に発展させており，「世界をリードする高速道路システム」として熟成されてきています。

本特集は，今世紀のビックプロジェクトの一つである新東名高速道路について，その計画，設計および施工の各段階を通して，本プロジェクトによる技術の到達点を工種毎に取り上げて解説して頂き，今後の国内外への技術の進展を図るための『技術のたな卸し』を目的に企画したものです。

巻頭文●新東名高速道路（御殿場JCT～三ケ日JCT）の開通に向けて

中日本高速道路（株）　建設事業本部　本部長　廣瀨　輝

総説①●日本における橋梁技術の展開

横浜国立大学　名誉教授　池田尚治

総説②●日本の道路土工技術－土構造物百面相　『NEXCO中日本名古屋支社のり面検討委員会から』－

岐阜大学　教授　副学長　八嶋　厚

総説③●日本のトンネル技術－トンネル技術を培った第２東名の建設－

国土技術研究センター　顧問　今田　徹

総説④●日本の高速道路における交通技術

東京大学　生産技術研究所　教授　大口　敬

総説⑤●ICTを活用した高速道路の新しい役割

慶應義塾大学　名誉教授　川嶋弘尚

特集１●新東名高速道路における橋梁技術の発展

中日本高速道路（株）　環境・技術部　主幹　宮内秀敏

特集２●新東名高速道路における土工技術の発展

中日本高速道路（株）　環境・技術部　チームリーダ　川井田　実

（株）高速道路総合技術研究所　土工研究部　研究員　中村洋丈

特集３●新東名高速道路トンネルの開発技術と施工－技術開発から施工までを振り返る－

NEXCO中日本　環境・技術部　主幹　中田雅博

特集４●新東名高速道路に至る舗装技術の発展

（株）高速道路総合技術研究所　舗装研究担当部　部長　神谷恵三

特集５●新東名におけるリーディングプロジェクト－「世界をリードする高速道路システム」を目指して－

中日本高速道路（株）　企画本部環境・技術部　主幹　高橋秀喜

中日本高速道路（株）　建設事業部　部長　太田睦男

特集６●新東名高速道路における施設技術の発展

中日本高速道路（株）　保全・サービス事業本部　飯塚徹也

注目のプロジェクト●新名神高速道路の計画・設計

中日本高速道路（株）　名古屋支社　四日市工事事務所　所長　村田　啓

地域の話題と情報（都道府県）●香住漁港における漂砂対策－香住海岸全体の総合的土砂管理をめざして－

兵庫県　企業庁　主幹　住尾博幸

地域の話題と情報（市町村）●秋田市の道路橋・公園施設の長寿命化の取組み

秋田市　建設部　道路維持課　副参事　堀　正悦

秋田市　建設部　公園課　主査　中村真一

ドボク・マニアックス／ジャンクション

写真家　大山　顕

海外の契約約款解説●FIDICの解説（設計施工版）（1）　紛争裁定委員会

海外建設協会　国際建設プロジェクトアドバイザー

内藤誠二郎

女性技術者からの話●技術のほかに必要なもの

中日本高速道路（株）　名古屋支社　豊田工事事務所　川島陽子

若手技術者からの話●新東名高速道路の建設事業に携わって

中日本高速道路（株）　東京支社　浜松工事事務所　金本岳人

土木技術アーカイブス（第25回）●東名高速道路・進化の歴史

中日本高速道路（株）　顧問　高橋文雄

予定目次

編集後記

世界の土木遺産●ドイツアウトバーンの歴史が現代に語ること－初期ドイツアウトバーンの設計思想－

（公財）原子力環境整備促進・資金管理センター　プロジェクトリーダー　鈴木　圭

世界から見た日本●外国人から見る日本の土木技術－日本らしい土木技術と技術者を－

オランダ大使館　科学技術部

ロブ・ストロークス（Rob.E.M.Stroeks）

世界のインフラ事情●クロスボーダー交通インフラの整備－運輸交通インフラへの国際協力－

（独）国際協力機構　経済基盤開発部

課長　梅永 哲

PPP最新事情●仁川大橋プロジェクトと韓国における長大橋事業の展開ー海外のPPP事業を見据えてー

Samsung C&T　建設部門

常務理事　田中 洋

技術開発最前線●ゴムにできること

（株）ブリヂストン　インフラ資材開発部

免震開発第2ユニットリーダー　近藤誠一