企画趣旨

東日本大震災によって各地に大量の災害廃棄物が発生しました。被災自治体の持つ処理能力では対応できない大量の災害廃棄物を処理するためには，広域処理や復興事業でのリサイクル活用の推進など，これまでとは違う枠組みの導入が必要になります。

また，除染事業が本格的に進んでいく中では，放射性物質によって汚染された様々な種類の廃棄物が大量に発生し，中間貯蔵施設の問題を含めて解決しなければならない課題が累積していきます。

被災後の「災害廃棄物処理」への取り組みを紹介すると共に，それぞれの立場における今後の「災害廃棄物処理計画」の立案に役立てていただくことを期待して企画しました。

巻頭言●災害廃棄物処理の展望－つぎの巨大災害を国難としないために－

関西大学　社会安全研究センター　教授　河田惠昭

総説●東日本大震災からの復興へ向けた災害廃棄物等処分の取組み

東北大学　大学院工学研究科　客員教授　環境生態工学研究所　理事長　須藤隆一

特集１●東日本大震災による災害廃棄物の処理一事例

㈱市川環境エンジニアリング　代表取締役社長　石井邦夫

特集２●地域の活力を生かした災害廃棄物処理事業

釜石市　復興推進本部　廃棄物対策室　室長　前田達也

特集３●災害廃棄物処理計画と災害廃棄物処理事業マネジメント

㈱エックス都市研究所　環境エンジニアリング事業本部長　西川光善

特集４●災害廃棄物の処理とその有効利用に向けて

独立行政法人　国立環境研究所　資源循環・廃棄物研究センター　主任研究員　遠藤和人

世界から見た日本●モニタリング技術の現状と展望

スマートストラクチャー社　米国　社長　羅　黄順

世界の土木遺産●台湾に渡った土木技術者たち

一般財団法人　全国建設研修センター　広報室　室長　緒方英樹

ドボク・マニアックス/送電鉄塔

写真家/長谷川秀記

技術開発最前線●ユビキタス技術を利用した社会基盤の運用支援

東京大学大学院　情報学環・学際情報学府

教授　越塚　登

PPP最新事情●PPP/PFIを巡る政策の流れと今後の案件形成に向けた取組み

国土交通省　総合政策局　官民連携政策課

課長　中原　淳

地域の話題と情報（都道府県）●九十九里浜の海岸整備

千葉県　海匝土木事務所　所長　宝地兼次

地域の話題と情報（市町村）●商店街再生と道路

鶴岡市　建設部　都市計画課　主査　有地裕之

世界のインフラ事情●「大日本都市開発（株）」に向けてーインフラ関連企業の産業組織論序説ー

タイ王国　政策顧問　松島大輔

海外の契約約款解説●FIDICの解説（設計施工版）（12）クレームの処理手続きと契約の終結

海外建設協会

国際建設プロジェクトアドバイザー

内藤誠二郎

女性技術者からの話●港湾施設の維持管理に対する思い

独立行政法人　港湾空港技術研究所

構造研究領域主任研究官　加藤絵万

若手技術者からの話●道路橋の設計荷重に関する研究

国土交通省　国土技術政策総合研究所　道路研究部　氏本　敦

土木技術アーカイブス（第36回）●戦後橋梁史における城ヶ島大橋の位置づけ－中坪外司｢城ヶ島大橋架設工事」土木技術　昭和35年３月号－

日本大学　生産工学部　環境安全工学科　教授　五十畑弘

注目のプロジェクト●ダウンタウン線第３期　933工区建設工事

五洋建設㈱　シンガポール営業所

地下鉄933工事事務所 所長 岩本憲和

予定目次

編集後記